STORY
満ちては欠け、そして欠けては満ちる。
まるで月のように運命は巡り、生命は燃える。
彼らと出会ってどのくらいの時が流れただろうか。
思い出せないほどに遠い気もするし、案外つい最近のことだったようにも思える。
貴女はその時の⾧さと深さで彼を知り、人ならざる者を知り、
彼も貴女を知った。
理解し合い、愛し合った。
だが、神の残酷か。
皮肉にもその想いの交錯が彼と貴女を再び引き裂いていく。
想えば想うほどにその溝は広がり、闇の中へとふたり、堕ちていく。
なすすべもなく、いとも容易く。
それでも、ふたり、運命に抗っていく。
血に彩られた「光」に、ある種の予感を感じて───……