STORY
雷雨の中、ふたりが足早に駆け込んだのは謎めいた美術館。
消えかかった表札、美術館の名前は──わからない。
仄暗い館内は、右を見ても、左を見ても、不気味な肖像画で埋め尽くされており、
そこで彼が見つけたのは、自分(ヴァンパイア)が描かれた一枚の肖像画だった。
その瞬間、絵画の彼がニヤリと嘲笑(わら)った。
絵の中から現れた「偽物の彼」、冷酷な「彼」は貴女を餌にすべく
キバを突き立ててくる。貴女を助け出す「本物の彼」だが、生きた
美術館の罠に容赦なく追い詰められ──……。
吸血の快楽に負けたとき、貴女はその肖像画(ポートレイト)の中に閉じ込められる。